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伊藤パソ![]() |
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自己催眠法
現代は高度な科学技術の発達、社会機構の複雑化、価値観の多様化と変動など、私たちの心身は大変ストレスの受けやすい状況下にあるといえます。 この様な現代社会の中で、短時間で簡単に,しかも効果的にストレスを解消し、フレッシュな自分を取り戻す方法のひとつとして「自己催眠法」があります。 ここで紹介する「自己催眠法」はアメリカの生理学者ジェコブソンが提唱した「漸進的弛緩法」とドイツの精神医学者シュルツが創始した「自立訓練法」とをヒントに考案した、優しくてユニークな、ひとりで出来る精神力強化トレーニング法です。 この方法の特徴は、筋肉の緊張と弛緩の感覚に意識を集中する訓練を重ねることによって、意識が非日常化の領域に入り、身体から宇宙を感じ取れ,心身が宇宙自然と同調出来るようになり、人間本来持っている様々な感覚が自然に蘇ってくる点にあります。それが心の領域の拡大をもたらしてゆくので、ストレスに強い心身の状態になってゆくのです。さらに修行として毎日続けてゆけば、心の深いところにある自分の本当の気持ちがだんだんはっきりしてきて、自分に対して素直になり、大きな自身が沸いてきます。 少なくともトレーニングを3週間続ければ様々な効果が発現します。 自己催眠の効果的な効果 1. 疲労回復 心と体に蓄積された疲労が軽減され、身体的および精神的苦痛が緩和される 2. 集中力強化 集中力が高まり、仕事や勉強に積極的に取り組め、能率の向上が見られる 3. 自然治癒力発動 気分がいつも爽快になり,寝付き目覚めも良くなり,血圧や体重が適正値に近くなる 4. 解脱性発現 自己統制力が増し、穏やかになり、劣等感も自然になくなってゆく。 5. 独自性発現 他人の意見に惑わされず,状況を的確に判断し、事にあたって個性的な対応が出来るようになる。 自律性の解放について 自己催眠の練習においては,それと直接関係のない反応が起こることは、さして珍しいことではありません。その反応は実に多様です。 たとえば、身体の一部がピクピク動いたり、震えたりするとか、身体の一部が熱く感じられたり、しびれたりするような単純な反応から、涙が止めども無く出たり、唾液が出てきたりするようなもの、さらに過去の思い出や、将来の計画が頭に浮かんでくる場合など種々雑多です。それはその人の過去の生活状況によって、その出方に差があるとされています。不満を持ちながらそれをじっと我慢している人、過去に大きな事故や事件に苦しんだことのある人などでは、訓練中にこの様な現象が特に多く見られます。 しかし、この様な現象は練習を進めていくうちに、徐々に少なくなり、最後に全く無くな ります。これらの練習中の現象が少なくなるにつれて、本来の症状も軽快してゆきます。このことを「自律性の解放」といいます。 これはどういう事かというと、たとえば大事故などの急激な強いストレスに出くわしたり、攻撃衝動や性的欲求などを継続的に抑圧したりすると、潜在的な力を持っているエネルギーが停滞して、心身の失調状態を起こします。この様な状態では、本来生体が持っている「自然治癒能力」が働かなくなってしまいます。脳には「中心脳保安解放系」なる安全弁があり、その安全弁がとかく障害を起こしがちになっているわけです。 自己催眠における身体への注意集中によって得られる、特有の心理の弛緩状態が、この妨げられていた「中心脳保安解放系」を再び活性化させるので、心身の機能が正常化してゆくということなのです。 訓練のやり方 ここでは一般的なやり方を簡単に紹介します 1. 姿勢 姿勢は二つの方法があります。 イ 仰向け弛緩姿勢 ロ いすに腰かけ背筋をまっすぐ立てる。 そして手足の力を抜きます。 2. 呼吸と緊張弛緩 呼吸に意識します。基本的に鼻でします。深く長い呼吸を繰り返します。息を吸うときお腹と胸にいっぱい息を吸い入れ、お腹と胸に緊張感を感じます。 息を吐くとき、できるだけ吐ききりお腹と胸の緊張感が弛緩していくのを感じます。 その呼吸にあわせて息を吸うとき手足を緊張(手足の筋肉に力を入れる)させ、息を吐くとき手足を弛緩させます。これを5回程繰り返します。 3. 身体の弛緩 弛緩状態を手足の末端から感じ取ります。1.2分程度続けます。 4. 手足の重感 弛緩状態が言わば重たい状態と感じ取れることがあります。個人差がありますが、その重たい状態を感じとります。2、3分程度続けます。 5. 手足の温感 身体にぼんやりと軽く意識を向けると新陳代謝がよくなります。血流や気の流れがよくなり手足の暖かいのが感じられます。それを感じ取ります。2、3分程度続けます。 6. 血液の流れ感 手足の温感まで感じ取れる様になったら身体の血液の流れに意識を向けます。 心臓の鼓動に意識を向けます。 胃腸やその他の内蔵の働きに意識を向けます。感じ取ります。 このような自然な生かされている身体の生理活動を感じ取ります。 そしてこの状態、境地を感じ取り、しばらく保つこと、これが生体の自然治癒力が 発動されている状態です。そのことを味わいます。 7. 覚醒 頃合いを見て「覚めるぞ」と意識して覚醒します。手足を屈伸したり歩いたりして完全に覚醒させます。 8整理 覚醒の後、気づきや悟りがあればノートに書き留めたりして心を整理します。 適切な自己暗示の効用 自分にマッチした暗示を催眠中に仕込んで行けば暗示の通りに性格が変化して行きます。 音声テープ誘導による訓練 音声やミュージックによる誘導で、訓練が容易になります。 誘導のテープを作りそれで訓練することも効果的です。 ※ご感想、お問い合せ等ございましたら掲示板 もしくは執筆者のメールへどうぞ! |
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